企業法務コラム「いわゆる『持ち帰り残業』と労働法」 | 鹿児島 弁護士|弁護士法人グレイス 鹿児島県弁護士会所属

鹿児島弁護士会所属 | 弁護士法人グレイス 鹿児島を中心とする顧問先300社以上の信頼と実績

弁護士法人グレイス

経営者のためのレポート

close

法律に関する様々な
トピックを弁護士が解説

無料で読めるレポート登録はこちら

メールアドレスを入力→
登録ボタンをクリック
(10秒程お待ちください)

弁護士コラム

企業法務コラム

いわゆる「持ち帰り残業」と労働法

労務問題・労働法

2018/07

弁護士:岡本明

いわゆる「持ち帰り残業」と労働法

近年、働き方改革の一環として、「20時になったら、会社建物を消灯する」など、残業時間を削減する動きが見られます。

一見しますと、残業時間が減少することで、従業員の負担が軽くなる、業務の生産性が向上するなど、従業員、会社及び社会全体にとって、良いこと尽くめにも思えるのですが、その実体は、自宅やカフェ、中には会社近くのホテルにおいて、就業時間内に終わらなかった残りの業務を行うなど、いわゆる「持ち帰り残業」が少なくないようです。

これらのいわゆる「持ち帰り残業」を労働法令に照らしてみますと、以下の点が特に問題となるかと思いますので、今回の労働法コラムにおいては、その概要を紹介いたします。

1. 「持ち帰り残業」のリスク

いわゆる「持ち帰り残業」は、一体何が問題となるのか。その代表例として挙げられるのが、未払賃金の請求でしょう。

詳しくは2で説明しますが、「持ち帰り残業」が、会社の指揮監督下にあったと判断されますと、実体として残業があったことになりますので、労働基準法等に基づき、未払賃金の支払をしなければならなくなります。特に、裁判になった場合、付加金、遅延損害金の支払が加算されるリスクがあります。

また、労災との関係においても問題となりうるなど、「持ち帰り残業」には、少なくないリスクがあります。

2. 「持ち帰り残業」の判断基準等

特に1に関連することになりますが、問題となる「持ち帰り残業」の該当性は、会社の指揮監督下にあったのかどうか、という点に集約されます。

従いまして、従業員が自主的な意思に基づいて仕事を持ち帰る場合や、業務に必要な資格試験の勉強をしているような場合には、一般的には問題となりませんが、一方で、同じ資格試験の場合であっても、会社が半ば強制的に従業員の資格取得を求めていた場合など、会社の指揮監督下にあったのかどうか、判断が難しい事案もあります。

特に問題となるのは、会社から従業員に対しても明確な指示がなされてはいないが、納期等が迫っているため、業務を行わざるを得ない場合など、いわゆる「黙示の指揮監督下」にあったと判断されうる事案です。

会社の指揮監督下にあるかにつきましては、明示であるか黙示であるかを問いません。また、これらの判断は、最終的には事例ごとに異なると言わざるを得ません。

従いまして、安易に自社の「持ち帰り残業」は問題ないと判断するのではなく、弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

その他の関連するコラムはこちら

労務問題・労働法コラム 労務問題・労働法コラム
2018/09
労務問題

同一労働同一賃金とは?

2018/07
労務問題

いわゆる「持ち帰り残業」と労働法

2018/06
労務問題

正社員と非正規社員の待遇格差について ~平成30年6月1日最高裁判決~

2018/05
労務問題

職員の採用と労働法

2018/04
労務問題

無期転換制度と雇止め

2018/03
労務問題

問題社員に対する対処法

2018/02
労務問題

有期雇用に関する基礎知識 ~不合理な労働条件の禁止~

2017/12
労務問題

有期雇用に関する基礎知識について ~契約期間及び契約の終了にかかる規制~

2017/10
労務問題

固定残業代制度が有効となるためには?

2017/09
労働法

有期雇用の無期転換申込権について

2017/08
労務問題

就業規則を知って活用する

2017/06
労働法

第13回 均等法及び育介法の防止措置について④~事情聴取後の対応~

2017/05
労働法

第12回 均等法及び育介法の防止措置について③~相談への対応方法~

2017/04
労働法

第11回 均等法及び育介法の防止措置について②~相談体制の整備について~

2017/03
労働法

第10回 均等法及び育介法の防止措置について①

2017/02
労働法

第09回 マタニティーハラスメント事件 ~広島中央保健生協事件~

2016/12
労働法

第08回 均等法と育介法の改正内容の概要

2016/10
労働法

第07回 ハラスメント問題について

2016/09
労働法

第06回 賃金(2)ー賃金から控除することができる費用って何?ー

2016/08
労働法

第05回 賃金(1)ー労働法が適用される「労働者」とはどんな従業員のこと?ー

2016/07
労働法

第04回 解雇(4)ー解雇をするために必要な手続って?ー

2016/06
労働法

第03回 解雇(3)ー従業員の私生活上の非行を理由に解雇はできるのか?ー

2016/05
労働法

第02回 解雇(2)ー従業員の職務懈怠があれば解雇は有効?ー

2016/04
労働法

第01回 解雇(1)ー解雇が無効となると、使用者側にはこんなリスクが!ー

弁護士コラム カテゴリー一覧

  • 労務問題・労働法コラム
  • 事業承継コラム
  • 知的財産権コラム
  • 法改正コラム
  • 下請法コラム
  • 個人情報コラム
  • その他のコラム
■HOME ■事務所紹介 ■弁護士紹介 ■弁護士費用 ■アクセスマップ
契約書の相談 債権回収の相談 消費者問題の相談 労務問題の相談
労使紛争の相談 不動産問題の相談 再生・倒産の相談 会社法の相談
顧問弁護士の相談 債務整理の相談 離婚の相談 交通事故の相談

鹿児島の弁護士による中小企業法律相談
© Copyright 2017 弁護士法人グレイス 
All Rights Reserved.

鹿児島弁護士会所属 弁護士法人グレイス
〒892-0828 鹿児島県鹿児島市金生町1-1
ラウンドクロス鹿児島6F(鹿児島事務所)
TEL:099-822-0764 FAX:099-822-0765