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企業法務コラム

同一労働同一賃金とは?

労務問題・労働法

2018/09

弁護士:大武英司

同一労働同一賃金とは?

当事務所では、7月に一般の方向けに、8月に社労士様向けに、それぞれ「同一労働同一賃金セミナー」を実施いたしました。本コラムでは、その概要につき触れさせていただきます。

平成28年12月に、厚生労働省が「同一労働同一賃金ガイドライン案」を出しました。この「同一労働同一賃金」とは、正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の、労働上の不合理な待遇格差の解消を目指すものです。

つまり、あくまで正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の待遇格差の問題を指すものであり、正規雇用労働者同士の間に存在する待遇格差等を問題にするものではありません。また、ここにいう「待遇格差」とは、基本給のみならず、各種手当や福利厚生等、労働契約に基づく全ての待遇を含みます

この同一労働同一賃金は、非正規雇用労働者Aが「正規雇用労働者Bとの待遇が違うことからその待遇格差を是正せよ」と求め得る制度(他者との労働条件との比較の問題)であり、これにより労使紛争が発生します。更に、定年後再雇用された者が、「定年前の正規雇用時の労働条件と同等にせよ」と求めることも考えられます(自己の処遇の定年前後の比較の問題)。

この2つの問題が労使紛争として先鋭化したことにより出されたのが、平成30年6月1日の最高裁判例です(いわゆるハマキョウレックス事件と長澤運輸事件)。特にハマキョウレックス事件は使用者側が敗訴したと評価されている案件であり、非正規雇用労働者を雇われている全ての事業主様がその概要だけでもご認識いただく必要があります。

この2つの事件により、正規雇用労働者に適用させる就業規則と非正規雇用労働者に適用させる就業規則の見直しをすることが急務となりました。特に、両者の間に待遇の格差がある場合には、両者の雇用契約期間の違い以外に、その待遇の格差を正当化させるに足るだけの根拠が存在するのか検討することが必要となっております。

昨今、非正規雇用労働者を巡る労働問題は、この同一労働同一賃金や、無期転換制度など、非常に注目されております。そして、現状の各雇用主様による雇用状況次第では、雇用主に労働条件や雇用形態の在り方等を抜本的に見直すことを迫るものともなっています。

当事務所では、深刻な労働紛争に発展する前に、これらの諸問題を解消できるよう、随時就業規則の見直しや各種法律相談を承っております。少しでもご不安があるようでしたら、ご遠慮なく当事務所までお問い合わせください。

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