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弁護士コラム

企業法務コラム

試用期間設定に関する注意点

労務問題・労働法

2018/10

弁護士:戸田晃輔

試用期間設定に関する注意点

1. はじめに

使用者の皆様の中で、採用した従業員の能力や適性を判断するために、雇用契約において試用期間を設定している方もいらっしゃるかと思います。

しかし、試用期間を定めたからといって、無条件で本採用拒否ができるわけではありません。そこで今回のコラムでは、試用期間について解説いたします。

2. 試用期間の概要

試用期間とは、雇い入れた従業員の能力や適性を評価して本採用するかどうかを判断するための期間をいいます。

また、試用期間の長さは、一般的に、3ヵ月から6ヵ月を設定することが多いようです。なお、必要以上に長い試用期間は、無効となる場合があります。

さらに、試用期間の延長は、就業規則などで延長について定めていない限り、原則として認められないことにも注意が必要です。

3. 本採用拒否の有効性について

試用期間を経た結果、使用者が、従業員に適性がないと判断した場合であっても、既に労働契約が成立しているため、試用期間終了後の本採用拒否は解雇に他ならないことから、本採用拒否が有効といえるためには客観的に合理的な理由が存在し、社会通念上相当である必要があります。

そのため、本採用拒否が無条件に認められるわけではないことに注意が必要であり、慎重に判断しなければなりません。

4. 試用期間としての有期雇用

無期雇用契約を締結してしまうと解雇が一般的に難しいことから、試用期間を設定するのではなく、一定期間の期限を定めた有期雇用契約を締結することもあるかと思います。

しかし、契約期間を設けた趣旨・目的が労働者の適性を評価・判断するためのものであるときは、当該期間の満了により雇用契約が当然に終了する旨の明確な合意が当事者間に成立しているなどの特段の事情が認められる場合を除き、定めた期間が契約の存続期間ではなく無期雇用契約を前提とした試用期間であると判断されることがあるため注意が必要です。

5. まとめ

以上のように試用期間であっても本採用拒否が自由にできるわけではないため、本採用拒否については慎重に判断しなければなりません。そのため、本採用拒否を行うにあたって、その合理性を裏付けるために試用期間中に適切な証拠を残す等の対応も必要となります。

試用期間に関する紛争を事前に予防するためにも、試用期間を採用している場合には、是非ご相談いただければと思います。

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