コロナ対策Q&A
Q 新型コロナウイルス の影響により売上の減少等もあり、現在雇用している契約社員はパートタイマーについて、契約を更新せずに期間満了を理由に退職してもらいたいのですが、問題ないでしょうか。
更新日:2020/05/06
契約期間が満了したといっても、期間の満了を理由に当然に退職をしてもらうことはできないため、慎重に判断する必要があります。
(1)期間の定められた雇用契約を締結した従業員(いわゆる非正規労働者や契約社員、以下「有期労働者」といいます。)の雇用契約は、契約期間が満了すれば、同契約は終了するのが原則です。
しかし、契約期間満了時に契約を更新しないこと(以下「雇止め」といいます。)を簡単に認めると、有期労働者は不安定な地位に置かれることになります。そのため、労働契約法19条において、会社による契約の更新拒絶を一定の場合に制限しています。
(2)具体的には、以下のいずれかに該当し、かつ、有期労働者からの更新の申込みを拒絶することが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められないときは、従前の雇用契約と同一の条件で契約が更新されることになります。
・雇止めが無期労働契約の労働者を解雇すると社会通念上同視できる場合
・契約更新に合理的な期待がある場合
(3)雇止めが期間を定めていない雇用契約を締結している従業員を解雇すると社会通念上同視できるか及び契約更新に対する合理的な期待があるかは、雇用の臨時性・常用性、更新の回数、これまでの雇用期間、雇用契約期間の管理状況、雇用を継続すると期待を持たせる言動・制度の存否などを総合的に考慮して判断します。
(4)以上のように、新型コロナウイルスの影響による売上の減少という理由だけで、当然に雇止めができるわけではありません。そのため、以上の事情を考慮して雇い止めが許されるかどうか慎重に判断する必要があります。
また、以上を考慮して直ちに雇い止めが難しい場合には、更新時に今後の更新はしないことを説明し、有期労働者の更新への期待を軽減させるよう協議を進めていくのが望ましいといえます。さらに、日頃から、有期労働者の雇い入れ時から雇用期間、そして更新手続時に渡って慎重に行動することも重要となってきます。