コロナを理由とした支払い遅延への対応策
Q コロナウイルスを理由として、取引先や顧客が支払を遅延している場合、どう対応すべきか?
投稿日:2020/05/01
更新日:2020/05/06
更新日:2020/05/06
結論としては、コロナウイルス等を支払遅延の理由に挙げられたとしても、法的にそれが正当化されることはありません。
あくまで金銭的な支払義務についてではありますが、民法419条には次のような規定が存在します。
①金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。(中略)
②(略)
③第1項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。
すなわち、金銭を支払う債務についての履行は理由のいかんを問わず、その遅延が正当化されることはありません。
従って、コロナウイルスを理由とされた場合であっても、毅然とその債権の回収を図ることが必要です。
もっとも、取引先や顧客との関係性を考えて、一定期間に限り支払いを猶予するといった柔軟な対応を図ることも政策的には考えられます。
しかしながら、仮に支払いを猶予すれば、その後の回収リスクが高まる可能性があるだけでなく、遅延損害金も猶予期間までは発生しないことになりますので、そのような対応をする場合には熟慮が必要です。