顧問先様の紹介
一般社団法人 鹿児島市保育園協会
更新日:2024/12/23
民間保育園の発展と充実を目指して
1.理事長紹介
理事長 青木 和彦 様
1996年4月に社会福祉法人すみれ福祉会すみれ保育園に入職し、2001年4月より園長を務めています。2002年には鹿児島市保育園協会常任理事に就任され、19年より7代目理事長を担っておられます。全国的な保育士不足のなか理事長就任以来、保育士と保育園の魅力を伝える発信事業を推進されています。また、すみれ保育園は23年から幼保連携型認定こども園すみれこども園に移行しました。
2.事業紹介
鹿児島市保育園協会は、1985年に鹿児島市私立保育園連合会として発足し、92年には社団法人鹿児島市保育園協会として法人化されました。2012年4月からは国の公益法人制度改革に伴い、公益事業と共益事業の事業区分を行い「一般社団法人鹿児島市保育園協会」として認可を受け、新たなスタートを切りました。2024年4月1日現在、鹿児島市内の認可保育園・認定こども園の100ヵ園が加盟しています。協会では、主に保育の質向上を目的とした職員の研修をはじめ、地域の子育て支援、食育の推進、育児相談などさまざまな活動を行っています。また、すべの子どもに安全かつ健全な発達が保障されるよう、各関係機関と連携を図りながら、より良い子育て環境の整備にも自主的に取り組んでいます。
3.過去にあった危機とその克服
現在の保育制度は少子化対策問題、子育て家庭の孤立、保育所待機児童問題など子育てに関わる社会的課題の解決を主旨に、2015年にスタートした「子ども・子育て支援新制度」に基づくものです。この制度により従来の保育園や幼稚園に加え、それぞれの機能を兼ね備えた認定こども園が設立されるようになりました。しかし、当初この制度案は自治体に課せられていた「保育の実施義務」を大幅に後退させ、すべての子どもの保育を受ける権利を阻害しかねない内容になっていました。これには保育をはじめ関連団体が一致団結して反対運動を展開し、政府案を撤回させた経緯があります。私も東京で開かれた法案修正を求めるデモに参加しました。時代が大きく変わろうとするとき、新たな局面を切り開くエネルギーと思いの強さに感銘を受けた記憶があります。
4.理事長が大切にされていること
「保育」とは、子どもの人権・人格の尊重の観点から、乳幼児が「今」をより良く生きるための「擁護」と、望ましい「未来」を作り出す力の基礎を培う「教育」を一体的に行うことです。加盟園では保育士・保育教諭が豊かな感性と高い専門性を生かし、日頃から乳幼児の保育を行っています。そのため園職員のスキルをはじめ、各園が地域の福祉向上にも寄与できるよう心がけています。さらに加盟園職員を対象にした外部研修のほか、保育士・保育園の魅力をより多くの方に理解してもらえるよう、情報発信事業にも継続して取り組んでいます。
5.今後のビジョン
少子化と言われて久しいですが、一方で女性の社会進出が進み保育園のニーズは高まっているのが現状です。記憶に新しい都市部の待機児童問題はまさにその象徴です。実は鹿児島市の待機児童数が全国でワースト1位になった時期もありましたが、解決に取り組み現在では0となっています。そうなると、職員の確保が重要な課題で、業界の処遇改善を進める必要があります。最近では社会問題が複雑化し外的要因も多く、保育現場についてネガティブな情報が広まることがあります。せっかく国家資格を取得し、夢を持って職に就いた保育士が長くその仕事を続けられるよう、協会として支援していきたいと思っています。また、認可保育園には税金が投入されますので、「保育」は福祉との観点から公的責任感をもって、関係機関との調整を今後も推進していきたいと考えています。
6.インタビュアーの声
取材に伺った園には、園児の元気な声と屈託のない笑顔が溢れる癒しの空間が広がっていました。しかし、そこは0~5歳児の「命」を預かる現場でもあることにも気づかされました。未来を支える子どもたちが健やかにのびのびと成長できるよう、明るくテキパキと業務をこなすスタッフの皆さんの姿に頭の下がる思いでいっぱいになりました。