企業法務コラム
建設業の労基署対応のポイント
更新日:2020/11/13
建設業
働基準監督署の役割
労働基準監督署(以下「労基署」といいます。)とは、厚生労働省の出先機関で、労働基準行政の第一線機関です。
労働基準法をはじめとする法律に基づき、労働条件確保・改善の指導・安全衛生の指導・労災保険の給付などの業務を行い機関となっています。
労基署の役割としては大きく2つあります。
まず第一に、労働法を企業・個人事業主に遵守させる行政上の監督としての役割を担います。
具体的には、企業・個人事業主に対し、労働法の遵守を確保するため、事業場への訪問・立入調査(臨検監督)等を行い、必要に応じて、指導・勧告、さらには事業場の使用停止命令等を発出します。
次に、二番目は、司法警察職員としての役割も果たします。
すなわち、労働法違反が悪質な場合や重大な場合には、当該企業・個人事業主を送検し、刑事的な処分を求めることがあります。
労働基準監督署が扱う内容
労基署では主に以下の事項を取り扱っています。但し、上記のように労基署は行政監督の役割と司法警察職員の役割を果たしますが、民事上の紛争を解決する役割は果たしません。そのため、特定の企業・個人事業主と労働者との間の法的紛争が発生した場合でも、労基署で解決することとはならない点に注意が必要です。
- ・賃金等の不払いや最低賃金の遵守等に関する事項
- ・労働時間・休日に関する事項
- ・就業規則に関する事項
- ・機械・設備等の安全に関する事項
- ・労災保険の適用及び給付に関する事項
労基署による調査
労基署による調査が行われる場合としては①定期監督及び②申告監督があります。
①定期監督とは、当該年度の監督計画により、労働基準監督署が任意に調査対象を選択し、法令全般に渡って調査をするというものです。
誰かから申告をされているわけではありませんから、誰にでもその対象となる可能性はあります。
これに対して②申告監督とは、特定の事業場に対する労基法違反等の申告が労基署に対してなされることを端緒に、労基署が法令違反事実の有無を調査するために行われるものです。
主に①定期監督の場合には、書面等による事前の連絡があることが多く、②申告監督の場合では突然の調査となることが多いですが、例外もあります。
労働基対応に見る顧問弁護士のメリット
労基署の役割、業務内容についてイメージを掴んでいただけましたでしょうか。
労基署への対応については、日頃から継続的に弁護士に相談をし、労働法の観点より適切な助言を受けることがいかに重要か、ご理解いただけたのではないかと思います。
さらに弊所ではzoom等を利用して、場所・時間に関わらず、緊急の労基署からの調査にも同席の上、労働時間に対する考え方等を代わって説明することも可能です。
この機会に労働問題に精通した顧問弁護士の導入について検討いただければ幸いです。
監修者
弁護士法人グレイス企業法務部
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