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企業法務コラム

固定残業代制に対する誤解について

投稿日:
更新日:2024/10/29

東京・神戸・福岡・熊本・長崎・鹿児島に拠点がある弁護士法人グレイスの労働法コラムです。

今回のテーマは、裁量労働制についてです。

相談者
相談者

友人が固定残業制で働いていると言っていたのですが、固定残業制ってどんな制度なのですか?

播磨先生
弁護士

固定残業制は、残業の有無にかかわらず、あらかじめ定めた時間残業したものとみなし、毎月定額を残業代として支払う制度です。

相談者
相談者

そうなのですね。あらかじめ定めた時間を残業したこととみなされるのならば、企業は労働時間の管理が不要になるのですか?

播磨先生
弁護士

そのように勘違いされている方も多いですが、使用者に課せられた労働者の労働時間を適切に把握する義務は、固定残業制の採用によって免れるものではありません。

相談者
相談者

そうなのですね。でも、定額の残業代を支払っているのだから、労働者から残業代請求をされることはないってことですよね?

播磨先生
弁護士

いえ、あらかじめ定めた固定残業時間を超えて残業をさせた場合、当該超過分については残業代を別途支払わなければなりません。

相談者
相談者

そうなのですね。でも、基本的には企業側には有利そうですよね。

播磨先生
弁護士

固定残業制は、あらかじめ定めた時間に満たない残業しかしていなくても固定残業代を払わなければならず、また、あらかじめ定めた時間を超過した場合は別途残業代を支払わなければならないため、必ずしも使用者に有利な制度とはいえません。

相談者
相談者

なるほど。固定残業制は、どういう場合に利用できるのですか?

播磨先生
弁護士

①労働者と使用者との間で、固定残業制を採用することの合意がある
②固定残業制が「通常の労働時間の賃金部分」と「割増賃金部分」が明確に区別できるような内容になっている
③固定残業時間分の超過分は残業代として支払う合意がある
といった要件を充足する必要があります。

相談者
相談者

なるほど。そのような要件を充足していないとどうなるのですか?

播磨先生
弁護士

固定残業制として無効となるため、改めて残業代を払わなければならなくなります。それだけでなく、固定残業代として支給した金額が、残業代を計算する際に基礎となる賃金に加算されるため、支払うべき残業代も高額となります。

相談者
相談者

そうなのですね。それは大変ですね。色々と気を付けるべきことがあるようですので、専門家に相談した方が良さそうですね。教えて頂きありがとうございました。

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【著者情報】

企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)

九州大学大学院法学研究科修士課程 修了

米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業

三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務

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監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

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〒105-0012 東京都港区芝大門1丁目1-35 サンセルモ大門ビル4階
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