企業法務コラム
契約書作成のポイントについて弁護士が解説
更新日:2021/07/28

1. 初めに
企業活動を行うにあたって、様々な契約を締結することが措定されることから、契約書に関する知識は最低限押させておく必要があります。また、口頭による契約のみで、契約書を作成しなかったことから後にトラブルが生じることも少なくありません。そのため、自身の身を守るためにも適切な契約書を作成することは必須です。そこで、契約書作成のポイントを解説いたします。
2. 契約書を作成するにあたって検討しておくべきこと
(1)契約書を作成する場合にどのような準備が必要でしょうか。まず、契約書を作成にするにあたって、これから締結する契約が類型にあたるかを決める必要があります。例えば、売買契約、不動産賃貸借契約又は委任契約などの類型が考えられます。もちろん、複雑な契約になれば、一般的な類型に当てはらないケースもありますが、契約書の骨子を決めるにあたっては契約類型の選択は重要となります。
(2)次に、契約類型を選択したら、契約の当事者を確定する必要があります。契約の当事者が個人なのか会社なのか曖昧にしたまま契約をする例も少なくありません。しかし、トラブルが生じた場合、会社に請求しようと考えても契約当事者となっていないことから、個人にしか請求出来ないなどといった事態も考えられます。そのため、当たり前ではありますが、契約当事者を明確にしておく必要があります。
3. 具体的な契約書の作成にあたってのチェックポイント
(1)これから締結する契約の類型が決まったら契約書の作成に入ります。そこでは、以下の点に留意することになります。
- ①内容が明確かつ簡潔であるか
- ②条項の性質
- ③当事者間で考えられる紛争
- ④要件と効果
- ⑤全体のバランス・公平性
- ⑥関係法令の確認
(2)内容の明確であり、かつ簡潔であることは、契約書が当事者間の権利義務等を定めるものであることから必然的に求められるものです。契約書の内容が不明確であったり、複雑な場合、条項の解釈に争いが生じ、契約書を作成した意味がなくなってしまいます。そこで、契約書の各条項は一義的に解釈できるものである必要があります。
(3)条項の性質は、特定の条項において何について定めているかを明確にするものです。条項の種類としては、給付条項(当事者一方が相手方等に対して、特定の給付をなすことを内容とする条項)や確認条項(特定の事実または権利関係等の存否を確認する条項)といったものがあります。そのほかにも道義的な内容を定めた条項などもありますが、重要なのは、各条項が当事者の法律関係をどのように規律するものなのか(条項により実現したいものは何か)を意識して条項を作成することです。
(4)契約書の重要な目的として、当事者間の紛争の予防があります。そのため、当事者間で問題となりうる事項をあらかじめ想定し、その対応を条項に落とし込んでおくことが必要となります。
(5)前述したように、各条項の性質を意識することが重要です。そして、各条項がいかなる条件がそろえば適用され、どのような効果(権利義務等)が生じるのかを意識する必要があります。この効果を明確にしないで、予期せぬ権利義務関係が生じないように契約書の条項に落とし込み必要があります。
(6)契約書の内容についてバランス感覚も必要です。契約の内容により、契約書の分量も変わってきます。数百円の売買に数十枚の契約書を作成するのはバランスを失していますので、内容に応じた契約書が必要です。
また、当事者の公平という観点も無視できません。一方当事者に著しく不利な契約書を作成した場合、そのことだけで契約が破談となることも想定されます。そのため、譲れない条件と多少譲歩できる条件を整理し、両当事者にwin-winとなる契約書が理想といえます。
(7)最後に、法律において、書面化すべき事項が定められている場合があります。そのため、当事者間で契約を予定している事項についての関係法令もチェックしておく必要があります。
4. 契約書の構成
(1)前項の観点を踏まえて、実際に契約書を作成することになります。一般的に契約書の構成は、以下のとおりです。
- ①表題
- ②前文
- ③本文(契約条項)
- ④後文
- ⑤締結日
- ⑥当事者の署名捺印又は記名押印
(2)まず、契約書の最初には、表題(タイトル)が記載されます。売買契約であれば「売買契約書」といった形になります。
次に、前文として、契約当事者や契約の経緯等について記載します。この部分で、当事者とどのような事項について契約書に定めるかが明らかになります。
前文の後は契約書の本質部分である契約条項が記載されることになります。この条項にどのようなものを記載していくかが契約書の作成にとって重要となり、前述したチェックポイントを踏まえて、記載をしていきます。そのため、この契約条項について時間をかけて検討していくことになります。
その後、作成する契約書の数、契約締結をした旨及び契約書の保有者などが記載され、最後に、締結日と契約当事者の名前を署名(又は記名)及び捺印(又は押印)を記載して契約書の完成となります。
5. 最後に
契約書作成にあたってのチェックポイントは以上のとおりです。以上は概要になりますので、実際に契約条項を作成していく場合には、各条項の内容や表現については個別に慎重な検討が必要となります。そのため、契約書の作成にあたっては弁護士に相談の上、作成されることをお勧めします。
監修者
弁護士法人グレイス企業法務部
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