企業法務コラム
新型コロナウイルスと労災
更新日:2022/02/24
新型コロナウイルスは新たなオミクロン株の登場により第6波に突入し、各都道府県で感染者数が連日更新される厳しい状況となっています。職場でクラスターが発生したとの報道にも接するところですが、使用者としては労災との関係が気にかかるところかと推察いたします。
厚生労働省の資料によると、令和3年12月31日時点における新型コロナウイルスに関する労災請求の件数は23,554件、決定件数20,162件、うち支給件数は19,840件となっております。また、支給件数の約3分の1は医療従事者等以外の業種となっています。
従業員が新型コロナウイルスに感染した場合、感染が業務に起因するものであると認められる場合は労災保険給付の対象となります。
労災認定の考え方については、厚生労働省が通達を出しており、この通達に基づいて実際に労災の認定がなされています。
まず、医療従事者については、業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として労災保険給付の対象となります。
次に、医療従事者以外の労働者についてですが、感染経路が判明し、感染が業務によるものである場合は、労災保険給付の対象となります。また、感染経路が判明しない場合であっても、感染リスクが高いと考えられる業務に従事しており、それによって感染した蓋然性が高い場合には労災保険給付の対象となります。
ここでいう感染リスクが高い業務の例としては、
①複数の感染者が確認された労働環境下での業務や、
②顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下の業務が挙げられています。
弁護士法人グレイスは「企業の経営を加速させる」を理念にかかげ、顧問先の皆様にサービス提供を行ってまいりました。
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労災給付の申請代行にも対応しておりますので、この機会にご活用を検討いただけますと幸いです。
【著者情報】
播摩 洋平弁護士
企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)
九州大学大学院法学研究科修士課程 修了
米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業
三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務
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