企業法務コラム
令和4年6月の改正特定商取引法の施行とこれから必要な対応
更新日:2022/08/24
法改正
弁護士:髙本稔久
特定商取引法と、特定商品等の預託等取引契約に関する法律が令和3 年に改正され、一部が令和4年6月1日より施行されました。
法改正の背景には、「初回無料」や「お試し」と表示しながら定期購入となるケース、解約方法の明記が無いケース等の消費者被害が増えたことがあります。
消費者庁では、通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン、YouTubeの消費者庁公式チャンネルでの解説等にてお知らせしています。
直ちに御対応が必要な点もあるため、本ニュースレターをご覧になっている事業者の皆様に向けて、施行された法律を中心に、ご説明いたします。
電磁的記録によるクーリング・オフ
従来の紙媒体の書面による方法に加え、電磁的記録( 電子メール、サイト上の専用フォーム、FAX等)によるクーリング・オフが可能となりました。
これまでと同様に、書面を発したときに効力が生じるため、紙の郵送と比較して、発送時期、受取の有無等の争いが予測されます。電磁的記録による受付方法を確認し、体制を整備しておく必要があります。
また、不合理な方法に限定してはいけませんが、確認しやすい方法を示すことは妨げられないため、「クーリング・オフをメールにて行う場合、以下のアドレスにお送りください。」等と案内することも、負担を減らす一手段と思われます。
販売預託商法の原則禁止
事業者が消費者に健康器具、金、和牛などの商品を販売し、同時に事業者が同商品の預託を受け、レンタル料や配当金を支払うといった販売預託商法が、その多くが実態を伴っておらず社会問題となり、原則禁止されることになりました。
ECサイトの最終確認画面の表示義務化
インターネット上のウェブサイトで、商品やサービスを販売するE C サイト(イーシーサイト)では、契約申込みを確定する直前のいわゆるカートのボタンを押した後に表示される最終確認画面にて、① 商品の分量( 数量、回数、期間)、②販売価格( 送料、支払総額)・対価、③ 支払の時期・方法、④引渡・提供時期、⑤申し込みの撤回・解除に関する事項、⑥申込期間( 期限がある場合) の表示が義務付けられました。
法定された6つの事項を表示しておかなくてはならず、事業者の方は、これを機に、必ずチェックをしておかなくてはなりません。
弊社では、特定商取引法に関するご相談・ご依頼に関しても、実績が多数ございます。施行に伴う最新のガイドラインに対応できるように、豊富な法律知識と経験を糧に、新しい法律に対応するためのリスタートをサポートいたします。
監修者
弁護士法人グレイス企業法務部
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