企業法務コラム
一般消費者との契約に際し、Zoom等を使用する場合の注意点
更新日:2023/06/26
ZoomやTeamsといったインターネット回線を使って通話する形式は、対面での接触が減少した中でのコミュニケーションツールとして、近年一気に広がりを見せました。対面での接触頻度が元に戻りつつある現在にあっても、これらのツールを日常的に使用される企業様も多いかと存じます。従業員同士や取引先とのコミュニケーション、また時には消費者に自社商品を説明し契約を獲得するための手段としても有効です。
こうしたツールは、互いに相手の顔を見ながらの会話が可能という点で、対面での販売と同様の要領で使用されるケースも多く見られます。しかし、実は一般消費者に対してこれらを用いて自社商品やサービスの契約について勧誘を行う場合、特定商取引法の電話勧誘販売の規制が適用される可能性があります。というのも、インターネット回線を使って通話する形式(Zoom、Teams等)は、特定商取引法上の「電話」に該当すると解釈されているためです。
特定商取引法の電話勧誘販売にあたる場合には、法律上契約書に記載しなければならない内容や記載形式が「赤字で」や「文字の大きさは8ポイント以上で」等細かく定められ、その中には、クーリング・オフについての規制もございます。このような法律で定められた契約書面の記載事項(必要的記載事項)を欠く場合には、行政による罰則がある他、契約から8日間が過ぎても一般消費者からクーリング・オフがされ得る状態が続いてしまうという、重大なリスクを背負うことになります。
一般消費者との契約については、特定商取引法の他にも消費者契約法や割賦販売法といった、事業者間の契約に対するものとは異なる法規制もあり、これらの法律は頻繁に改正や条文解釈の変更がされております。
一般消費者との契約に関し、その他の点につきましても、もしご不安な点があれば是非お気軽にご相談いただけますと幸いです。
【著者情報】
播摩 洋平弁護士
企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)
九州大学大学院法学研究科修士課程 修了
米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業
三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務
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