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企業法務コラム

2024年4月1日施行の労働関連の法令について

投稿日:
更新日:2024/03/25

弁護士:戸田 晃輔

 

1 はじめに

 

 労働関連の法令についてはほぼ毎年何らかの改正が行われています。今年も4月1日からいくつかの労働関連法令で新たなルールの追加及び変更がなされています。そのうち、本コラムでは、①建設業・自動車運転業・医師の時間外労働の上限規制の猶予期間が終了及び②労働条件明示のルールの変更についてご紹介したいと思います。

 

2 時間外労働の上限規制の猶予期間終了について

 

 まず、既に時間外労働の上限規制は施行済みですが、建設業、自動車運転業及び医師についてその適用が猶予されていました。時間外労働の上限規制とは、原則いわゆる36協定により週45時間及び年360時間が時間外労働の上限であるところ、その例外が存在していましたがこの例外でも超えられない上限を意味します。その具体的内容は、時間外労働が年720時間以内、時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満、時間外労働と休日労働の合計において2~6か月の平均がすべて1か月あたり80時間以内及び時間外労働が月45時間を超えていいのは年間6ヶ月までというものです。そして、これまでは前述の業種ではこれらの上限規制は適用されていませんでしたが、2024年4月1日からはこれらの業種においても時間外労働の上限規制が適用となります。もっとも、上限規制の内容については、業種によって若干異なります。そのため、業種に応じて規制内容を確認する必要があります。

 

3 労働条件の明示のルールの変更について

 

 これまでも労働契約を締結する際には、労働条件について一定の事項を明示することが求められていました。そして、今回、この明示すべき事項について、就業場所や業務内容の変更範囲、有期契約の更新の有無とその内容及び無期転換申込機会と無期転換後の労働条件が追加されています。そのため、企業としては、これまで使用していた労働条件通知書等を一部修正する必要があります。

 

4 最後に

 

 以上のとおり、労働関連の法令に一部ルールの変更がなされています。内容も正確に理解する必要があり、かつその対策についても検討が必要となっています。これらのお悩みの際はいつでもご相談いただければ幸いです。

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【著者情報】

企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)

九州大学大学院法学研究科修士課程 修了

米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業

三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務

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