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企業法務コラム

法定休日とは?法定外休日との違いを弁護士が解説

投稿日:
更新日:2024/11/12

 皆さんは、法定休日と法定外休日との違いをご存じでしょうか?
以下、これらの違いについて解説いたします。

法定休日とは

 法定休日とは、労働基準法上、労働者に対して与えることを義務付けられた休日を指します。

(参照)
労働基準法35条
1 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
2 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

 このように、労働基準法によって、毎週少なくとも1回の休日又は4週間以内に4日以上の休日を与えることが義務付けられているのです。この義務に違反した場合には、使用者側に刑事罰として、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科される可能性がありますから、特に注意を要するといえます。

 ちなみに、4週間を通じて4日以上の休日を与えるという変形休日制を採用する場合には、就業規則にその旨を明記する必要がある点にもご注意ください。

 この法定休日における労働については、労働基準法上厳しい制限がありますので、注意が必要です。例えば、

  • ⑴ 事業場ごとに労働者の過半数代表との間で、休日労働を可能とする定め(いわゆる36協定)を置いていないにもかかわらず、法定休日に労働をさせている。
  • ⑵ 法定休日に働かせている労働者に対し、休日手当としての割増賃金(割増率135%)が支払われていない。

といった場合には、労働基準法違反となってしまいます。これらの違反があった場合には、会社が予期しないほど多額の未払残業代が発生している可能性もあります。のちに労働者から多くの請求を受ける前に、ぜひ自社の法定休日と休日労働についてご確認ください。

法定外休日とは

 これに対して法定外休日とは、会社が労働基準法で義務付けられているよりも多く労働者に与えた休日を指します。例えば完全週休2日制を導入している企業であれば、週休2日のうちの1日が法定休日、もう1日が法定外休日となります。

 法定外休日に関しては、上述したような休日労働に関する規制が課されないため、ある程度休日労働の融通が利きます。

法定休日と法定外休日を判別する方法

 さて、それでは法定休日と法定外休日とを判別するためには、どうしたらよいのでしょうか。明確に判別できなければ、企業としては、「今日は休日だが、労働者を働かせても良いのだろうか。」、「休日労働としての割増賃金を支払うべきだろうか。」と悩みが絶えなくなってしまいます。また、場合によっては、上述したような問題が発生しているかもしれません。

 この点について結論からご説明しますと、労働契約や就業規則において法定休日と法定外休日を区別しておくことが最も適切です。こうすることによって、会社において「いつが法定休日に当たるか」をコントロールし、労働について統制管理をすることができます。このため、現時点において労働契約や就業規則内で法定休日と法定外休日との区別をしていない場合には、ぜひ早急に労働契約書・就業規則の改定をなさることをお勧めします。この場合には、規定作りに誤りが生じて上述した刑事罰を科されることのないよう、企業法務に習熟した弁護士の助言・助力を得るべきといえるでしょう。

 ちなみに、仮に労働契約・就業規則において法定休日と法定外休日の区別がなされていない場合には、以下の方法によってこれらを区別・判別することとなります。

⑴ 毎週1回の休日を与える場合

毎週1回の休日を与える場合①
土日休みで1週間の始めを
「月曜日」と定めている企業の場合
毎週1回の休日を与える場合②
土日休みで
特に定めがない場合

 この場合には、行政上の解釈に則り、1週間において最も後ろに位置する休日が法定休日労働とされます。1週間をどの曜日から始めるかは企業ごとに定めることが可能ですが、特に定めがない場合には、日曜日から1週間をカウントします。

 このため、例えば毎週土日を休日としている企業の場合には、日曜から土曜までの1週間のうち、土曜日が最も後ろに位置する休日となりますから、土曜日が法定休日とみなされることとなります。

⑵ 4週間を通じて4日以上の休日を与える場合

4週間を通じて4日の休日を与える場合
4週間を通じて4日以上の休日を与える
変形休日制の場合

 この場合にも、同様に、基準となる4週間のうち、最も後ろに位置する4日間の休日が法定休日となります。

 このように法定休日と法定外休日との区別がなされます。誤解をおそれず大雑把にまとめますと、労働契約・就業規則に規定があればそれが優先され、規定がなければカレンダー上一番後ろの休日が法定休日になると整理することができるでしょう。

 この点についての理解にご不安がある方は、会社の就業規則などをご準備いただき、早い段階で弁護士にご相談ください。大きなトラブルが生じる前に予防的に行動することが重要です。

まとめ

 以上、法定休日と法定外休日との区別・判別方法について、それらの違いと法規制の差異も踏まえて確認しました。法定休日と法定外休日についての理解が不充分ですと、刑事罰を科されたり、多額の残業代請求を受けたりすることがありますから、ご不安があれば早急に解消してください。

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【著者情報】

企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)

九州大学大学院法学研究科修士課程 修了

米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業

三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務

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監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

本店所在地
〒105-0012 東京都港区芝大門1丁目1-35 サンセルモ大門ビル4階
連絡先
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