企業法務コラム
M&A後の統合プロセスにおける法務の重要な役割
投稿日:2025/01/21
更新日:2025/01/21
更新日:2025/01/21
M&Aの成功は、取引完了後の統合プロセス(PMI: Post Merger Integration)にかかっており、これを円滑に進める上で、法務部門の役割は極めて重要です。
まず、買収した会社の契約書や許認可、知的財産などの法的資産を精査し、統合後のビジネス運営に支障が出ないように確認することが必要です。
M&Aを行う場合、事前にM&Aを行う前のDD(Due diligence)の過程において、M&Aを行うことが契約の解除条件に含まれているか否かの確認を行うことが望ましいといえます。しかしながら、現実には、M&A自体に資金をかけられず、財務DDのみで法務DDが
行われなかったりすることも多いため、M&A後に精査することが重要となります。
次に、企業間で異なる労働条件やコンプライアンス体制を統一することは重要となります。特に、M&A前には知り得なかった細かな労働条件(手当や福利厚生等)は、細かいように見えて、それを重視する従業員もいますし、企業ごとの価値観や文化的な違いを感じさせる点です。
このような点をないがしろにすると、従業員の離職が増えたり、やる気を失わせたりしますし、生産性の観点からも、会社の求心力を高める観点からも、軽視することはできません。
法務は、取引直後の短期的なリスク管理だけでなく、長期的な統合成功の基盤を築く役割を担っています。法的側面からの確実なサポートが、M&Aの真の成功を実現します。
監修者
弁護士法人グレイス企業法務部
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