働き方改革対応
働き方改革への対応でお困りの方
働き方改革関連法の概要
1 働き方改革関連法とは
弊所では、企業側の弁護士として多くの企業から労務のご相談を受けております。そして、働き方改革への対応についても相談をいただく内容に一つです。働き方改革関連法は、2018年6月29日に成立し、同年7月6日に公布されました。その主たる目的は、①労働時間法制の見直しと②雇用形態に関わらない公平な待遇の確保です。そして、同法は、労働法分野における主要な法律を一括で改正するものので、その内容は多岐に渡ります。具体的には、以下の法律の一部が改正されています。
①労働基準法
②じん肺法
③雇用対策法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)
④労働安全衛生法
⑤労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)
⑥労働時間等設定改善法
⑦労働契約法
2 具体的な改正内容
以上のとおり、働き方改革関連法は複数の法律の一部を改正するものですが、重要なポイントは①労働時間法制の見直しと②雇用形態に関わらない公正な待遇の確保です。そして、具体的に以下の改正がなされています。
(1)労働時間法制の見直しに関する改正は以下のとおりです。
①時間外労働の上限規制
②勤務間のインターバル制度の努力義務化
③年5日の年次有給休暇の確実な取得
④中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の適用猶予の見直し
⑤長時間労働者に対する面接指導等・労働時間の状況の把握
⑥フレックスタイム制の拡充
⑦高度プロフェッショナル制度の創設
⑧産業医・産業保健機能の強化
(2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保に関する改正は以下のとおりです。
①不合理な待遇差をなくすための規定の整備
②労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
③行政による助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR)の整備
このように、年次有給休暇を年5日取得させること(年10日以上の有給休暇を取得できる従業員に限る)が企業に義務化されたことや残業時間に上限が設けられるなど日常業務に直接影響するものも働き方改革には含まれています。また、不合理な待遇差をなくすことを求められています。いわゆる同一労働同一問題も賃金に直結するものであり、会社経営にあたり大きな影響のあるものといえます。
働き方改革の為に実施すべき施策
以上のとおり、働き方改革関連法の内容は多岐にあたり、企業として対応すべきものが多くあります。2022年1月時点において、中小企業においても、④の中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の適用猶予の見直し以外は、施行済みであり、時間外労働時間の上限規制、労働時間の状況の把握及び年5日の年次有給休暇の取得について対応することが求められています。
また、2023年4月には、中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の適用猶予の見直しがなされますので、月60時間超の時間外労働に対して支払うべき対価が増加します。そのため、労働時間の削減は必須の経営課題といえます。
働き方改革対応を行ううえでの注意点
1 罰則について
違反の内容によって異なりますが、罰則として30万円以下の罰金や6ヶ月以下の懲役が定められているものもあります。そのため、企業として働き方改革関連法に対応していない場合、罰則を受けてしまう可能性があることは頭に入れておく必要があります。
2 損害賠償請求について
また、同一労働同一賃金について違反している場合、非正規社員から問題となる待遇格差について損害賠償請求を受けるリスクもあります。そのため、罰則がないとしても、損害賠償請求を受けるリスクがあることは考慮しなければなりません。
働き方改革対応を専門家に依頼すべき理由
1 働き方改正慣例法の内容理解が必要
以上のとおり、働き改革関連法の内容は多岐にわたるため、その内容を正確に把握するだけでも一苦労です。まして、その内容も一義的に明確なものばかりではありません。そのため、会社として対応が必要となる規制が具体的にどのようなものなのか、そして、どのように対策をすれば良いかについては、弁護士等に相談する必要があるといえます。
2 継続的な相談が必要
また、労務問題については、一度、相談して終わりではありません。実際に対応を行った上で不都合が出て来れば、それに応じて修正を加えるなど、トライアンドエラーを繰り返し、会社の実態にあった対応を模索していることになります。
働き方改革対応に関するご相談は弁護士法人グレイスへ
働き方改革対応について、弊所では以下のようなサポートをしております。
① 働き方改革改正法への対応についてのご相談
② 就業規則の見直しに関するご相談
③ 労働審判・訴訟対応
弊所では、企業側の弁護士として、日々企業側から労務に相談を受けています。そして、幸いにも500社を超える企業と顧問契約をいただいています。なお、前述のとおり、働き方改革関連法は、継続的な相談が必要であるため、顧問契約をお奨めしております。
その他、問題社員対策、残業代請求への対応など幅広く、企業側の弁護士として皆様のご相談をお受けしております。労務についてお困りの際は、いつでも気兼ねなく弊所にご連絡いただければと思います。