相談事例
【178】会社と対立する取締役を任期中に解任した場合に、残りの任期相当分の役員報酬を支払う義務があるかという相談を受けた事例
2022/09/14
相談分野
その他
業種
サービス業
1. 相談内容
依頼者の会社において、潜在的に会社と対立する可能性がある取締役がいるため、将来的に解任することを選択した場合のリスクを知りたいとの相談があった。
2. 争点
特になし。
3. 解決内容
会社法上、株主総会の決議により、取締役を解任することが可能であるが、正当な理由がない限り、取締役に対して損害賠償責任を負う。損害賠償の範囲は、原則として、任期の残期間相当分の役員報酬である。
裁判例上、以下のようなケースが、正当な理由とされている。
・ 心身の故障
・ 法令・定款違反の行為
・ 職務遂行能力を著しく欠く等して、職務への著しい不適任がある
・ 経営判断の失敗
他方で、信頼関係の喪失・関係性の悪化のみでは、正当な理由が認められていない。
このようなリスクを回避するためには、定款を変更し、取締役の任期を短期(1年が法律上の下限)に設定することが望ましい。
なお、これが妥当するのは株式会社のみであり、有限会社には妥当しない。
裁判例上、以下のようなケースが、正当な理由とされている。
・ 心身の故障
・ 法令・定款違反の行為
・ 職務遂行能力を著しく欠く等して、職務への著しい不適任がある
・ 経営判断の失敗
他方で、信頼関係の喪失・関係性の悪化のみでは、正当な理由が認められていない。
このようなリスクを回避するためには、定款を変更し、取締役の任期を短期(1年が法律上の下限)に設定することが望ましい。
なお、これが妥当するのは株式会社のみであり、有限会社には妥当しない。
4. 弁護士の所感
取締役の任期は、定款で具体的に定めることになっているが、実際には、特に注意を払うことなく、長期間(10年が法律上の上限)の任期が設定されているケースも散見される。このような長期間の任期保証は、取締役を解任する場合の金銭的なリスクになり得る。会社法の知識は、専門家である弁護士に確認することが早く確実であると感じる例であった。
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