後遺障害と高次脳機能障害
後遺障害とは
後遺障害とは、適切な治療を行ったにも
かかわらず完治せず、将来的に身体的
又は精神的な毀損が残ることを指します。
交通事故(人身)の場合、慰謝料には以下の3種類があります。
傷害慰謝料(入通院慰謝料)
また、症状固定とは、治療を続けてもこれ以上の改善が望めないような状態を指します。
後遺障害等級の認定は、症状固定後、損害保険料率算出機構が行います。等級は、1級から14級まであります。認定手続は、加害者から照会される事前認定と被害者から請求される直接請求があります。なお、等級の認定について不服がある場合、異議申立を行うこともできます。
裁判においては、必ずしも損害保険料率算定機構の等級の認定に拘束されるものではありませんが、認定された等級は、後遺障害慰謝料や労働能力喪失率を認定する際の重要な判断材料となります。
損害保険料率算定機構による審査は、通常、医師が作成した後遺障害診断書(自賠法で様式は決められています)や画像(レントゲン写真・MRI・CTなど)をもとに行います。したがって、後遺障害の認定に際しては、後遺障害診断書が重要な意味合いを持つことになります。必要があれば、医師に対し、弁護士の面談の上で、後遺障害診断書を作成してもらうことも検討した方がよいでしょう。
高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは、交通事故の衝撃により、脳が強くゆすられ、脳内にズレが生じ、大脳表面と脳幹部・大脳辺縁系を結ぶ神経が切断・損傷して、広範な神経連絡機能の断絶を生じる病態をいいます。言語・思考・記憶・行為・学習・注意などに障害が起きた場合は、高次脳機能障害である場合が高いといえます。
CTやMRIなどの画像に異常が見られず、外見にも全く変化の無い場合が多いため、これまで重大な後遺障害との認識がなかったのが現状です。本人も自覚症状が無いため、家族も気がつかずに終わってしまう場合が多くあります。また、そのために、身体機能に障害がない場合は、身体障害者福祉制度の対象とは基本的にはならないため、生活が困
難になってしまう場合が多々あります。近時これが認識されるに至りました。
症状に応じて、後遺障害1級・2級・3級・5級・7級・9級などと格付けされています。